◆優れた二胡プリアンプRoland EH-10◆
−マイキング技術の低下を懸念 テクノロジーには負けたくない!−

友人の二胡奏者・遠藤リョヲさん(http://reoh.web.fc2.com/)が、おもしろい機材があるということで、私の自宅スタジオに遊びに来てくれた。
2008年の北京オリンピック閉会式でも使用されたという、Rolandの二胡プリアンプEH-10である。
日本で発売されていない製品ではあるが、詳細はメーカーのHP(http://www.roland.co.jp/)内を「EH-10」で検索してみてほしい。
単なるピックアップにとどまらず、リバーブ・オクターヴァー等のエフェクトをかけることもでき、チューナー機能も付いている。
構造としては、楽器にコンタクトマイクのついた本体を取り付け、そこからLine Outが出るようになっており、
各エフェクトのかかり具合や全体の音量を調整するつまみが装備される。
また、棹の部分に取り付けるコントローラーには、エフェクトのOn/Offスイッチが付いており、演奏中にも容易に操作できる。
肝心の音の方だが、第一印象は「秀逸」。
実は昨年この方のレコーディングをしたのだが、思うような音を捉えるのにかなりの時間を要した。
ところが、このプリアンプではつないだだけ(しかもNo EQ)でいわゆる「二胡らしい音」がモニターから聞こえてきた。
Line故の空気感の無さは否めないが、野外イベント等弱音楽器のマイキングに不利な現場では充分実用に耐えられる感触である。
この機材から二つのことを考えた。
一つ目は、この製品を通じて隣国中国の民族楽器である「二胡」の認知度が上がればいいなということ。
二つ目は、製品としては楽器の音の特徴をよく捉えてメーカーの研究の成果が見えるが、
他の楽器でもこのような製品が普及すれば、遠い将来エンジニアのマイキング技術は下がっていかないだろうか、ということである。
テクニックで、テクノロジーには負けたくない!

写真-1 EH-10を二胡に取り付けた様子。
     右側のフォーンプラグが刺さっている横にマイクが内蔵されている。
     奥側の黒いケーブルが、棹に装着されるコントローラーに延びる。
     なお、二胡の弓の毛は2本の弦の間を通っており、胡弓などのように楽器と弓は分離しない。

写真-2 棹に装着されたコントローラー
     各エフェクトのOn/Offとチューナー機能はここで操作される。



(大阪府 森正人)