◆ビデオ業者への音声送りについて◆
−10月号山崎達朗氏の投稿を読んで−

SR業務で携わる現場ではコンサート・オペラ・イベント等を問わず、ビデオ業者への音声送りを依頼されるのは決して珍しいことではない。それに加えて、最近ではインターネット配信用にもと言われることも増えてきた。また、打ち合わせもなくやって来て、リハーサル中に当然のように「ラインください」と言われるという信じがたい出来事もある。
しかし私も山崎さんと同じく、私たちの「商品」を無償提供することに常々疑問を感じている。
その上、本誌の読者の方々には釈迦に説法だが、SRにふさわしいミックスと収録や配信にふさわしいミックスは一致しない場合の方が多いのである。
しかし、生音を重視するオペラのような現場でも、エアマイクすら立てずにこちらの2mixだけを収録したDVDをいただいたこともあり、いかに音を重視していないかが窺われる業者も残念ながら存在する。
理想は全Input、スプリッターを持参してもらって頭分けだが、そうはいかない現場も数多い。私は音声をお渡しした現場では、DVDを送っていただくようお願いしている。せめてビデオ業者の方から自主的に送るくらいのことはしていただきたい。
奇しくも同号にインターネット中継を前提としたライブスペール「ニコファーレ」の記事が掲載されていた。こちらは初めからSR卓と中継卓は別、しかも回線にも配慮がされている。
これが当たり前になれば、視聴者の耳が肥える→ビデオ業者へのオーダーがシビアになる→小規模現場でも収録音声さんが雇われる→業務に応じた対価がきちんと支払われる、という図式が成り立つと思うのだがいかがなものだろうか。

(大阪府 森正人)

2011/12