◆音の大きさについて◆
−聴感と測定値−

イベントをする上で、特に野外の会場では、音に関する苦情に悩まされた方は多いだろう。
大阪にある二つの野外音楽堂では、メインの音を会場設備のリミッターに一旦通してからパワーアンプに送ることになっている。会場の騒音計により常に音量が測定されており、規定値を超えると一定時間音量が下げられるシステムである。
ところが京都にある野外音楽堂にはそのようなシステムはなく、会場管理の方が判断され、状況によっては音量を下げるよう指示される。
私は、一見いい加減に思えるシステムに少なからず疑問を抱いており、聴感上の音量と測定値が必ずしも一致するわけではないが、騒音計による監視をすればいいのにと思っていた。先日仕事で伺った際にご担当者とその話題になった。
曰く、騒音計による監視は検討されたとのことだが、数字で計ってしまうとクレームに対して火に油を注ぐような結果になってしまうことがあるので見送ったとのこと。
実際に応援団の太鼓などはどんなに大きくても苦情は来ないが、内容によってはごく小さな音量でも苦情が来るらしい。自分に関係ない音はすべて騒音と考えると、当然のことである。
本誌上ではラウドネスコントロールについての記事が連載されている。内容としてはSRに直接は関係ないのかもしれないが、必要充分な音量を出すという意味ではこちらの記事も非常に興味深い。
リスナーに対して必要かつ充分な音量を提供しつつ、非リスナーには迷惑を掛けないという、極々基本的なことを改めて考えさせられた。

(京都府 森正人)

2010/06